平成24年春号(vol.25)

みやぎ会 鳳鳴大滝
鳳鳴大滝
みやぎ会の活動
平成24年ボランティア活動予定

みやぎ会では、東北地方整備局が行っている「ボランティア・サポート・プログラム」の認定を受け、国道48号の清掃活動を行っています。

活動は4〜9月の第4土曜日で、今年の活動日は下記のとおりです。当日は宮城総合支所駐車場に集合し、午前6時半から約1時間程度の作業を行います。

なお、8月は「ルート48クリーン運動」に参加しますが、実施日は未定です。

  • 平成24年 4月 28日(土)
  • 平成24年 5月 26日(土)
  • 平成24年 6月 23日(土)
  • 平成24年 7月 28日(土)
  • 平成24年 8月
  • 平成24年 9月 22日(土)
ボランティア風景 ボランティア風景

トピックス

土の話

「土」といえば多くの人はどんな土をイメージするのでしょう?

畑の土、田んぼの土、庭の土、校庭の土、公園の土・・・。

私の場合は土木の仕事をして来ましたので、道路や堤防を築く盛土(もりど)の材料となる土、橋や擁壁(ようへき)などの構造物を築く地盤の土、斜面やのり面の土などを思い浮かべます。そもそも土木という名称が表しているように、土木屋がかかわるすべてのものは土とは切っても切れない関係がありますし、土にはずいぶん苦労をさせられましたが、ある意味楽しませてももらったと思っています。土木屋が扱う土というものについて少し述べてみたいと思います。

土木屋にとっての土とは

土というのは岩石が風化して粒子状になったもので、それに動植物の死がいである有機質分などが含まれる場合があります。有機物が含まれていると強度等に悪影響を及ぼすので、土木の世界では好ましくない土とされます。

土は、構成する粒子の大きさがさまざま、粒子の鉱物もさまざま、含まれる水分量もさまざまですので、土というのは2つとして同じものが無いと言っても過言ではありません。ですから土を扱うのは大変なことなのですが、逆にいえば、その難物と戦い自らの経験や知恵を駆使して目的とするものに仕上げることが土木屋としての醍醐味でもあると思います。

土木の世界では粒子の大きさが75mm以下のものを土として扱い、そのうち2mm以上のものを礫(れき)、2〜0.075mmのものを砂、0.075mm〜0.005mmのものをシルト、0.005mm以下のものを粘土と呼んでいます。

望ましい土

土木屋にとって望ましい土というのは、一般的に、機械で扱いやすく、締め固めたときにしっかりと固まって大きな荷重や力に長期間にわたって耐えられる土です。このような条件を満足する土というのは、大小さまざまの粒子分が適度に混ざっていて、適度な水分を含んだ土ということになります。粒子の混ざり具合のことを専門用語では粒度(りゅうど)と言います。土が強度や耐久性を発揮するためには、シルトや粘土などの細かい粒子のものはあまり含まない方が良いのですが、河川堤防の場合は水を通しにくいこと(水密性)が求められますので、ほどほどに細かい粒子を含んでいる方がち密な構造になります。水の通しにくさの程度を専門用語では透水性といいます。

土の水分

締め固めた時にその土が最も締め固まる、その土特有の水分量というものがあって(専門用語では最適含水比といいます)、この水分量より多くても少なくても、土は十分に締め固まりません。乾いた砂はどんなに握っても固まりませんが、水分を含むと固まるようになるのを経験したことがあると思います。雪合戦に使う雪玉もさらさらした乾いた雪では握り固めることができません。日本の国土を形成する土は、最適含水比を上回る水分量を含むことが多いので、多くの土木工事では水分量との戦いになります。

軟弱地盤

水分を多量に含んだ粘性土や植物の腐食質分を多く含んだ土は、土木の世界では非常に厄介な土です。とくに、このような土から出来ている自然地盤を軟弱地盤といって、そのままの状態では道路や橋などを造ることはできません。仮に造ったとしても築造後に構造物が沈下したり地震によって傾いたり壊れたりします。しかしながら、このような場所にも道路や橋などを造らざるを得ない場合があります。そのような場合はその地盤に対してさまざまな対策を施して、目的とする構造物を支えることができるように改良してから構造物を造ります。なかなか困難な仕事でありますが、土木屋としての腕のふるいどころでもあります。

東日本大震災と液状化

東日本大震災では、あちこちの住宅地で地盤が崩壊し住宅などに大きな被害をもたらしました。その多くは、地形や土の問題、あるいはまた、(結果として)それらに対応した工事をしていなかったことが原因であったのではないかと私は思っています。

首都圏で「地盤の液状化」によって建物やライフラインなどに大きな被害が発生しました。地盤の液状化というのは、新潟地震の際に砂地盤に築造された鉄筋コンクリートの建物などが傾いたり沈んだりして問題になった現象で、私たち土木の世界では良く知られた現象です。ある特殊な砂地盤(大きさがある範囲にそろった粒子の砂がゆるく積もった砂地盤、イメージとしてパチンコ玉を小さくしたものが積もった地盤)で、しかも地下水が存在すると、大きな地震で揺すられた時に、水圧によって砂粒がふわふわと浮いて、まるで地盤全体が液体のようになる現象です。液状化の恐れがあるかどうかは、地盤を良く調べればかなりの精度で予測できるようになっていますので、住宅を建てる場所が砂地盤である場合は液状化の心配が無いことを確認するべきでしょう。

土をテーマに、思いつくままにとりとめもないことを書いてしまいました。私の頭にあることをつらつらと書きましたので、正確でないところがあるかもしれないことを申し添えます。最後まで読んでいただいてありがとうございました。


(記  森山 清治)

会員の広場

平成21年春号から『会員の広場』と言うコーナーを設けましたので、会員のあなた様の”常々思っていること”、”あなたの周りのあんな事、こんな事”等掲載をしていきたいと思いますので、是非ご愛読よろしくお願いします。

定義山の奥に鉄道があった? その名は定義森林鉄道!!

春号の原稿として何かないか探している中で、定義森林鉄道が昔あったと言う話を思い出し、現地確認をして記事を書こうと思いましたが、すでに廃止されているものであり、また今の時期山は例年になく積雪が多く、現地確認は不可能と判断し、文献を調べてみることにしました。

まず森林鉄道についてですが、明治時代末期、日本では国産木材の需要が急速に高まり、安定的に輸送できる施設が必要となった。古くから行われていた木材の水上輸送は常に商品である木材の紛失と水難事故の危険を伴うもので、安定性に欠けていた。そこで、全国的に森林鉄道を建設する機運が高まった。

森林鉄道は国有林から伐採した木材を運搬するための鉄道で、全国各地の林産地帯に大小様々な森林鉄道が建設された。初めての森林鉄道は1909年(明治42年)12月20日に開通した津軽森林鉄道である。軌間は殆どが762mmでナローゲージと言われるもので営林署が中心となって762mmを標準とし、例外的に610mmを採用していたようであり、鉱山用軌道や構内軌道に見られる508mmの軌間は採用されていなかったようです。

定義森林鉄道は定義如来のバスターミナル付近を起点として大倉川沿いに十里平を通り船形山中に向かって建設された延長11.3kmの2級規格の森林鉄道である。

1938年(昭和13年)から1960(昭和35年)12月まで、旧青森営林局仙台営林署が運営していたもので、その後廃止されました。木材を運搬している往時の写真等は見つけかねましたが、インターネットで検索してみると多くの人が廃線後の踏査、探訪をしています。

興味のある方は、サイトを訪問してみて下さい。

「鉄の廃路」てつはい、のサイトでは”廃線踏査”の中に定義林道(森林鉄道)下部軌道編、上部軌道編、最上部軌道編としてまとめています。

(記  及川 公一郎)

 参考サイト

  ・フリー百科事典「ウィキペディア(wikipedia)」

  ・「鉄の廃路」てつはい http://www.tetsuhai.com

    (記事の使用を許可していただきました。)


西国VSP連絡協議会・役員会が開催されました

西国VSP連絡協議会は、仙台河川国道事務所の仙台西国道出張所管内で道路愛護ボランティア活動を行っている団体で昨年組織した協議会です。

〔VSPとはボランティア・サポート・プログラムの頭文字をとったものです〕協議会発足2年目となる24年度は、各団体相互及び他の地域活動団体との交流や連携、青葉地下道等を活用した広報活動などをさらに充実させることなどが話し合われました。また、ボランティア活動時に現地に掲示する「のぼり旗」を作成することになりました。のぼり旗を掲示することにより、活動する会員の士気を向上させるとともに、一般通行者への啓蒙にも効果が期待されます。

(記  ボランティア担当 森山清治)

原稿募集のお知らせ

編集委員会では、会員の皆様からの原稿を募集しています。

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【問い合わせ先】  

担当:及川 公一郎